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トイカミ

CASE 01 解説

原価20%増。値上げするか?

問題

あなたは全国50店舗の定食チェーン「まんぷく亭」の経営企画担当。

この1年で主力定食の原価が20%上がった。メニュー価格は3年間据え置き。

社長から「値上げすべきか、今日中に方向性を出してくれ」と言われた。

Q1. あなたなら、まずどうする?

  • A. すぐ全品値上げする。原価20%増を吸収できる価格に改定
  • B. 値上げはしない。仕入れ・オペレーションのコスト削減で吸収する
  • C. 決める前に「客が何に価値を感じて通っているか」を確かめる

ここで、新しい事実が判明した。

競合チェーン2社は、すでに半年前に5〜8%の値上げを実施していた。

そして自社の客数は、この半年で前年比+3%と伸びている。

Q2. この事実を踏まえて、あなたならどうする?

  • A. 競合に追随して値上げする。幅も競合に揃える
  • B. それでも据え置く。競合が値上げした今こそ、客数の伸びを取りに行く
  • C. 一律にはしない。看板メニューだけ据え置き、他を値上げして価格の構造を作り替える
まだの人は先に挑戦する(60秒)

評価されるのは結論ではなく、思考の順序

この問題に「正解の選択肢」はありません。評価されるのは結論ではなく、結論に至る思考の順序です。

第一に、論点の再定義。社長の問いは「値上げすべきか」ですが、本当の論点は「どの客が、何に、いくらまで払うか」です。値上げの可否はその答えから逆算されます。

第二に、前提の確認。原価上昇は全メニュー一律なのか。競合はどう動いたか。客数は伸びているのか減っているのか。追加情報の前後で判断が変わった人は、この「前提が判断を支配する」感覚をすでに持っています。

第三に、打ち手の非対称性。「全品一律に値上げ」と「価格構造の設計(看板は据え置き・他で回収)」は、同じ値上げでも客の体感がまったく違います。一律案しか出さない回答は、選択肢の設計で減点されます。

第四に、撤退条件。値上げ後に客数が何%落ちたら見直すのかを、実行前に決めておく。これがあるだけで「決め打ち」が「検証可能な意思決定」に変わります。

トイカミ様の視点

値上げの本当のリスクは客離れではない。「何も学ばずに値上げすること」だ。価格を変える瞬間は、客が何に金を払っているかが一番よく見える瞬間でもある。全店一斉にやるのが、一番もったいない。

よくある誤答パターン

結論だけ言う

「値上げすべきです。原価が上がったので」——理由が状況の繰り返しになっており、思考が入っていません。

情報を集め続ける

「まず市場調査をします」で止まる回答。何を確かめたら決められるのか(判断基準)まで言えて初めて評価されます。

一律でしか考えない

値上げ幅・対象メニュー・タイミング・店舗を「全部一律」で考えると、打ち手の設計余地を全部捨てることになります。

思考タイプについて

クイズではQ1×Q2の回答の組合せから、判断の癖を3タイプ(軍師タイプ・城主タイプ・先鋒タイプ)に整理して返しています。優劣ではなく「どこから考え始めるか」の違いです。

出題・解説監修MIT Sloan School of Management MBA修了(経営戦略・マーケティング)ケース問題・解説は、MBA課程のケースメソッドの型に基づいて監修しています。